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おちんちんの「むきむき体操」に物申す

おちんちんの「むきむき体操」に物申す

 

インターネットを通じて巷で、赤ちゃんの包茎を早くから無くそうとする?「むきむき体操」とやらが広がっている様子です。

結論から言うと、専門家の間では全く理解できない、すべきではないことです。

赤ちゃんは全員包茎です。それは亀頭部を保護する必要があるからです。まだ、成長していない亀頭部はとても繊細で傷がついたり、ばい菌が入らないように包皮で覆っています。包皮は必要なのです。

それを、どこの誰かはわかりませんが、生後2ヶ月より包皮をむこうとする行為を推奨しています。おそらくその時点でむけてしまう人は、「むきむき体操」しなくても自然にむけてしまう人かと思われます。将来手術が必要になる方は、先天的に包皮の先の部分が成長とともに伸展しないほど細く、硬くなっている方なので、「むきむき体操」などではむけません。無理にむこうとすると、亀頭部が出っぱなしになり、包皮を戻そうとしても戻らなくなる嵌頓を起こし病院へ直行となります。また、むくことによる外傷により包皮が伸びなくなる可能性があります。

 赤ちゃんの包茎は、病気ではありません。生まれつきむけている人などいないのです。生理的な現象なのですのでむく必要もありません。

成長とともに、亀頭部が大きくなりそれを覆っている薄い部分も次第に変化し、乾燥や衝撃に耐えうる組織となって行きます。また、赤ちゃんのときから生理的に自然勃起が見られそれを繰り返しながら大きくなり、自分で剥き出てくる仕組みになっているのです。

手術が必要な人は、おしっこを出そうとしてもおちんちんの先が風船のように膨らんで、おしっこが出にくくなり腎臓まで影響が及ぶようなひどい症例だけになります。そういう方は、乳児期に「むきむき体操」をしようとしてもできません。

「むきむき体操」のホームページによれば、これには「賛否両論ある」と書かれてありますが、専門医にとって否であって賛成はありません。

おそらく、そういう真実(自然治癒)を無視して経験的に成功した医師、もしくは、認識のない一部の医療従事者が推奨しているだけかと思われます。

おしっこをするときに、先っぽが風船みたいにぱんぱんに膨れ上がる人は、専門医(小児科専門医、小児外科医)にご相談ください。また、3歳を過ぎても亀頭部が少しも見えない人も念のため専門医を受診してください。軽症の場合は、自然経過で様子をみるか、ステロイドを先っぽに塗ることでよくなります。手術が必要になる人は、ほんの一部の人だけです。

せっかく皮を被っている赤ちゃんのおちんちんのを無理やりいじらないでください。ディメリットはあってもメリットは何もありません。あるとすれば、自己満足かと思われます。いらない作業ですが。

 根拠のない「むきむき体操」に大反対のお話でした。

 平成30年6月22日

院長コラム
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