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かぜの薬ー院長のひとりごと

かぜに効く薬はないのになあ~

かぜといえは、まずくしゃみ、透明な鼻水からスタートします。1日目は透明な鼻水がたくさん出てきて、つまりかけた鼻水をくしゃみで外に出そうとします。しかし、夜になると、透明な鼻水が大量なため鼻がつまって寝苦しくなります。2-3日経つと今度は鼻に色がつきはじめ少し黄色くなってきます。この頃、咳は少し出るようになり、夜の咳もしばしば見られるようになります。発熱することもあります。1週間ほど経つと、さらに鼻水は粘稠になり黄色と灰色が混じったよう、いわゆる「あおばな」になります。咳は痰が絡むようになり、鼻はつまり、夜の湿った咳が目立ちます。10日前後になると鼻の量は少なくなり、咳の回数も減ってきて治ってゆきます。
さて、このいわゆるカゼの症状を、早くなおしたり、止めたりできる薬はあるのでしょうか?答えは「ノー」です。そもそも、鼻水は何のために出るのでしょう?咳は何のために出るのでしょう?それは人間が自分で治そうとしている症状なのです。悪いものは出してしまえって頑張っているのです。
怪我したときのことを考えてみましょう。怪我すると、まず、透明な液体が出てきます。やがてそれは、黄色くなってきます。そしてだんだん液の量が減ってかさぶたになって治ってゆきます。今、怪我の治療は「消毒はしてはいけません」「乾かしてはいけません」になっています。「湿潤療法」といって、傷口をテープのようなもので完全に密閉してしまうことが一番早く治ることが分かっています。かぜも同じではないでしょうか?鼻水が出たら鼻水止め『抗ヒスタミン剤』で止める(かわかす)のではなく、潤っていた方が良いのではないでしょうか?多少鼻水で鼻が詰まっていた方が良いのではないでしょうか?
最近、下痢しても下痢止めを出すお医者さんはいなくなりました。昔は下痢したら下痢止めが一般的でした。これは、下痢で悪いものは出してしまおう。という発想なのです。咳も同じこと悪いものは出してしまった方がいいのです。
鼻水に鼻水止め。咳に咳止めの時代はもう少しでなくなるはずです。むしろ市販のかぜ薬(鼻水止めや咳止め)は、アメリカでは禁忌になりました。それらの薬による副作用の方が重大だと分かったからです。鼻水止め(抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤)によってケイレンが誘発されるのは有名な話です。

じゃあ、かぜひいたらどうするの?

いいじゃないですか、鼻が出ようが咳が出ようが薬飲んだって、治る時間は一緒です。「あおばな」はばい菌がいるのでは?いえいえそうではありません。あれはばい菌の色ではなく、鼻の粘膜の老廃物なのです。あおばなになったから「抗生剤』?とんでもない話です。熱もなく元気なのに蓄膿症だから抗生剤?とんでもない話です。中耳炎になりやすいから鼻が出たら抗生剤?これもとんでもない話です。

日本は抗生剤乱用国です

熱が出たら抗生剤。かぜと言われて抗生剤。のどが痛いから抗生剤。咳がひどいから抗生剤。副鼻腔炎(熱がない)と言われてすぐ抗生剤。。。トーンでもない。いいかげんに、してほしい。
お医者さんが、何か見落としていたら心配だから抗生剤を出すのかな?患者さんが安心するから抗生剤を出すのかな?人が自分の力で治ることを否定しているかのような薬漬け医療。。。トーンでもない。
かぜといわれて抗生剤をもらったら、そのお医者さんを信じちゃいけません。念のために、、、なんかも許されません。だって、かぜは、ウイルスによるもので抗生剤は効くはずがない!かぜで熱が出ても8割はウイルスによるもの。元気な場合は抗生剤なんていりません。

かぜ症状のとき、どんなときに病院や薬は必要?

5ヶ月以下の赤ちゃんのかぜ症状。かぜをきっかけに喘息がでた場合。夜間の咳が続く場合。咳で眠れない場合。鼻声が続いて熱、頭痛がある場合(急性副鼻腔炎)。耳が痛くなったとき。喉が痛くて溶連菌感染症か血液検査で炎症反応があがる場合。鼻水がなく咳と熱がある場合(マイコプラズマ肺炎など)。

くしゃみ3回、ルル3錠?????

これは考えられない。くしゃみ鼻水がでたらすぐ病院に行った方が早く治ることはありません。乳幼児で、もし行って鼻水止め(抗ヒスタミン剤)をもらうようなことがあったら問題ですぞ。病院へ行くのはやめましょう。
ただし、5ヶ月以下の赤ちゃんが、咳が出ているような場合は、薬はどうあれ、病院へかかった方がよいでしょう。RSウイルス感染や百日咳などがあります。

皆さんも、なるべく、薬嫌いにないましょう!!

病院へは行っても良いですが、かぜとわかったら、あまり薬は飲まない方がよろしいかと。。。。

薬大好き病院がありすぎ!

鼻水ですね?鼻水止めをあげておきましょう。咳ですね?咳どめをあげておきましょう。
喉が痛いんですね?抗生剤を飲んだ方が良いでしょう。熱ですね。抗生剤を出しましょう。鼻水が長く続いていますね?副鼻腔炎でしょう。抗生剤と抗アレルギー剤を出しておきましょう。。。。どんだけ薬出すの???

じゃあ木下先生はかぜのときどんなお薬をだすの?

私は、あまり出したくないのです。しかし、困っておられる場合は効くかどうかはわかりませんが。プルスマリン(鼻や気道の粘膜に作用し鼻が通りやすくなったり、タンが切れやすくなります)やカルボシステイン(鼻水や痰自体をさらさらにする)だけ出しています。咳止めや鼻水止めは出しません。夜の咳がひどかったり、痰が切れにくい人は胸に貼るシール(気管支拡張剤)も出します。
抗生剤は用心深く出します。かぜですね!といった人には出しません。熱がでても元気なら、出しません。熱が続けば、次の日も念のため診せていただきます。熱が続くなら血液検査をしたりして必要なら抗生剤も出します。
かぜ症状でも、はやりの病気が合併していないか。必要と思ったら検査することにしています。自分で納得して抗生剤を出します。
透明な鼻が長く続く場合は、鼻水を採ってアレルギーがないか確かめることがあります。鼻が治らないと言われても、透明とあおばなを繰り返している場合はかぜの繰り返しかと思われます。しかし、待ちきれない人は、耳鼻科に行って、いろんな薬をもらったり、副鼻腔炎と言われてずっと抗生剤をもらっているかたもみられます。そしてときどき、熱が出たからとまた当医院へ来られます。ほとんど抗生剤はいらない場合が多いです。

鼻が続くくらいで、熱がなかったら大騒ぎする必要もないのになあ~
保育園児である私の孫なんか、保育園へ行き始めてずっと、鼻が止まってきたかと思いきやまたくしゃみが、、、そしてまた、あおばな、咳が、、、とくり返しっぱなしです。でも薬はあげてません。とっても元気にしていますよ。保育園の先生いわく「保育園ですからね。しょうがないですよね。」と素晴らしいお答えをいただきました。
保育園によっては「あおばながひどいですよ。」と言われるとこもあるようですが。。。

まったく、たかが「かぜ」なのに、なんでこんなに問題になるのでしょう???
あ~あ、もう、、、、、

とにかく、かぜという診断を受けたら、あまり飲み薬はいらないと思いますよ。いろいろお薬を出されたら、なんでだろう?と思ってくださいね。
とくに、かぜによる熱と言われたとき、抗生剤が出た場合など、「なぜ抗生剤が必要か」を出した先生に尋ねましょう!
鼻水や咳で何種類(4種類以上)も薬が出る病院はどうなんだろうと、私は思います。

平成27年12月6日 院長
院長コラム
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