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苺状血管腫の治療がレーザー治療から内服(プロプラノロール)治療へ

苺状血管腫の治療がレーザーから内服治療(プロプラノロール)へ

 苺状血管腫は生後2週間くらいより目立ってくる皮膚の病気で、苺を半分に切ったような皮膚の状態から苺状血管腫と言われるようになりました。病理的にいえば、毛細血管内皮細胞の増殖による良性腫瘍といいます。

病変は1歳頃まで大きくなり、その後5歳以降に自然退縮します。しかし、この変化は個人差が大きく、実際には退縮の状態が「瘢痕」「チリメンしわ」と言われるような正常な皮膚とならないケースも多く見られます。

レーザー治療がない頃は、自然治癒を待つことが多かったのですが、レーザー治療が出現してからは待たずにレーザー治療がされることが多くなりました。

しかし、最近では、プロプラノロール(高血圧、狭心症、不整脈などの治療につかわれていた)が第一選択となったとする施設も見られます。

苺状血管腫の治療にプロプラノロールが有効であるという発見は、なんと偶然の産物であったのです。ボルドー大学において鼻部の苺状血管腫に対してステロイド治療を行っていたところ、心不全を起こしたためプロプラノロール内服をせざるを得なくなりました。するとなんと血管腫が小さくなっていったのです。その後フランスで乳幼児用のプロプラノロールシロップが開発され日本でも使用可能になりました。

血管腫に対する作用機序としては、血管収縮作用、血管内皮増殖因子抑制などを介した血管新生抑制作用が認められており特に乳児の血管腫に対しての有効性が示されています。

プロプラノロールを内服するにあたり、最初は、心臓に与える影響の有無を観察する必要があるため、導入時の1週間前後の観察入院治療が必要となるケースが多いようです。

プロプラノロールを第一選択とする病院、プロプラノロールの副作用を懸念してレーザー治療がメインになっている病院、また、両方とも使用する病院もあり、形成外科もしくは皮膚科がメインとなり、入院観察期間は小児科も関わることがあります。

できている場所によってもレーザーかプロプラノロールかという使い分けする施設も見られます。

いずれにせよ、苺状血管腫の治療の選択肢が増えたことは乳児血管腫の治療においてとても良いことであると思われます。

平成30年11月1日

院長コラム
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