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夜尿症に対する最新治療について

「おねしょ」と「夜尿症」の違いは、5歳以上で夜間の睡眠時の排尿が週に2回以上ある場合を夜尿症といいます。 昔から、夜尿症は放っておけばそのうち治るという考え方が強く、実際、小学生の低学年で8-10名に1人、高学年では4-5名に1人となってきます。1年をとるごとに10-15%ほど減っていきます。
しかし、「夜尿」は学校での修学旅行、学校以外でのスポーツクラブでの合宿など、本人にとっては、とても悩みの種になります。そこで、なんとかして欲しいと考えているお子さんやお母様方に対しての最新の治療の考え方を紹介致します。
まず、その前に、なぜ、「夜尿」をするのでしょうか?それは、夜、眠っている間に作られる尿の量と、その尿をためるための膀胱の容量のバランスがとれていない場合におこります。従って、1)尿の量が多すぎたり(多尿タイプ:寝ると出て来る抗利尿ホルモンが足りていない)、2)膀胱の容量が小さすぎる(膀胱タイプ:尿をたくさんためることができない)と「夜尿」になります。また、精神的な要因も含まれていると考えられています。「夜尿」は、単純ではなくそれぞれのタイプが重複(混合型)している場合もみられます。
では、治療についてですが、1)生活指導、2)薬物療法、3)行動療法の3つがあります。まず、生活指導を行って20%ほどよくなるといわれていますが、うまくいかない場合は、薬物療法や行動療法がなされます。

生活指導

「起こさない」「焦らない」「おこらない」そして、夜尿をしなかった時はたくさんほめてあげることが大切です。早寝早起き、夕食をはやくとって、それ以降は、水分や食べ物をあげないようにします。寝る前は、おしっこをさせて下さい。膀胱におしっこをためることのできない人の中に、しっかりおしっこを出し切れていない場合もありますので、ゆっくり、最後まで出し切るように!
本人が納得すれば、おむつしてもかまいません。

薬物療法

昔と変わったのはこの部分です。まず、治療をはじめる前に、尿の比重や浸透圧を測ります。夜尿のあった日の朝の尿比重が1.022以下、浸透圧が800以下のいずれかの場合は「多尿タイプ」の可能性があるため、抗利尿ホルモンの経口薬(舐める薬)を使います。点鼻薬もありますが、風邪をひいたりして鼻の粘膜が炎症を起こすと、効果が薄くなるため、最近では口で溶けるお薬が推奨されています。
尿検査で上に当てはまらない方(膀胱タイプ)は、膀胱の容量を増すという目的で抗コリン薬を使います。
「多尿タイプ」でうまくいかない場合には、「膀胱タイプ」も合併している「混合型」の可能性も考えられるため両方を併用する場合もあります。
今まで、良く使われていた抗うつ薬(アナフラニール、トフラニール)などは、副作用が心配なため、最終手段(ここが今までと違う点です)となります。

行動療法

アメリカでは、夜尿症のお子さんが来られたら「抗利尿ホルモン」を飲むか、アラーム療法をするか、をお母様方に選ばせるそうです。「アラーム療法」というのは、おむつや布団が夜にぬれた時に尿を感知する装置をつけて、アラームが鳴ったら、本人を完全に起こして、残ったおしっこを全て出させるという方法です。「これを行動療法といいます。起こさない」という日本のやり方と矛盾しているようですが、実は、これを繰り返すことにより、膀胱の容量を増やすことができることが分かっています。いわゆる「膀胱タイプ」の治療としての「抗コリン薬」療法と似ています。
ただしアラーム療法は、家族のみなさんの協力が必要になります(夜が眠れなくなり、仕事や家事にさしさわる)ので、日本では、あまり盛んに行われていないようです。

以上、「夜尿症」に対する治療が確立されてきています。たかが「夜尿症」から「されど夜尿症」という考え方に傾いてきています。本人や家族にとってはとても辛い思いをしていらっしゃるかたも多いと思われます。
「夜尿」でお困りの方は、当医院へご相談ください。しかし、お薬を飲んでも、簡単にうまくいかない場合もあるかもしれません。それでも、本人にあった治療法を一緒に見つけてゆきましょう。

平成25年11月8日 院長
院長コラム
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