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乳児の栄養について

皆様いかがお過ごしでしょうか?私は、尿管結石からやっと解放され(まだ腎臓にもう一個残っているそうですが)、元気になりました。病院通いをしましたので、代診の先生に留守をお願いしたりしました。その節は本当に皆様に、ご迷惑をおかけいたしました。日頃の運動不足や暴飲(お酒ではなく甘いジュースなど)、暴食(食後に甘いものを食べたり、コレステロールが高いのに、バリバリ脂肪分をとったり)で、やられてしまったのでしょう。今は、改心して、食べ物に気を使い、運動も少しですが始めました。このままポックリ逝かないように自分の健康管理に勤めたいと思っています。さて、台風はいかがでしたか?私の病院の東側の壁が、風で崩壊してしまいました。木製だったのでだいぶ朽ちていたのでしょう。

では、今月の話題に入ります。今回は、乳児の栄養、とくに牛乳の悪影響やフォローアップ・ミルクの意義について書いてみました。

乳児の栄養

乳児(1歳未満)の牛乳摂取による貧血

今まで保健所などでは、『生後9か月ごろから母乳はやめて牛乳に切り替えなさい』といった指導がなされていたようです。しかし、牛乳を乳児期に与えると貧血(鉄欠乏性貧血)になりやすいという事がわかってきました。
これはかなり以前から分かっていたことで、19世紀のヨーロッパでは母乳が不足している赤ちゃんに対して、牛乳を代用してあたえるための研究がおこなわれていました。当時としては、牛乳のかわりになるものがないため、これはしかたないことだったのですが、その結果、こうして育てられた子どもが貧血になることが分かり、『牛乳貧血』といわれるようになりました。

牛乳を飲むと貧血になる理由

ご存知のように、牛乳にはカルシウムとリンがたっぷり含まれています。ところが、カルシウムとリン、そして鉄が結合して複合体をつくるため、腸での鉄吸収がおさえられることが、近年の研究でわかってきたのです。
鉄分は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンという物質を生みだすのに欠かせない成分です。牛乳を飲むことにより鉄の吸収が妨げられ、結果的には血液中のヘモグロビンが下がり貧血となってしまいます。

鉄不足が乳幼児の発達に与える影響

最近の研究では乳幼児において鉄分が不足すると、脳での刺激を脳細胞から他の脳細胞へ伝える神経伝達物質の生成が減るため、乳幼児の精神運動の発達にも影響がでることが明らかになってきました。
これは、神経伝達物質をつくる酵素にも鉄分が必要なためです。出生後、脳細胞が最も活発に分裂して成長する12か月以前から『鉄欠乏』の状態が続くと、乳児の発育、たとえば、発語、言葉の理解、器用な動作や歩行などが遅れかねないということです。

乳児に牛乳を与えてはいけません

生後9~11か月ごろの乳児は、だんだんと体も大きくなってくる時で、発育につれ運動も活発になってきはじめるころでもあり、いいかえると鉄分が不足しがちになる時期ともいえます。このころに鉄吸収をおさえるカルシウムをとリンを含んだ牛乳をあたえるのは、のぞましくありません。

フォーローアップ・ミルクの意義

このことがわかってから、ヨーロッパでは、離乳後期に母乳のでない母親のために、牛乳にかわる飲料はないかと研究が進められました。その結果、十数年前に誕生したのがフォローアップ・ミルクです。普通のミルクは母乳の代役として作られたのに対して、フォローアップ・ミルクは鉄分対策として作られたミルクで脂肪分も少なく牛乳ともまったく違います。
鉄分の吸収でみると、牛乳が3~10%以下なのに対して、フォローアップ・ミルクは20~30%と高く、最も吸収率の良い母乳でも50%強ですから、牛乳にくらべればかなりの改善ということができるでしょう(母乳にはかないませんが)。 ですから生後9か月ごろの乳児には、もし母乳がでず、離乳食もすすまないようであれば、牛乳ではなく、育児用ミルク(人工乳)かフォローアップ・ミルクをあたえましょう。
ミルクも飲んでいて、離乳食もすすんでいるようでしたら、わざわざフォロー・アップミルクにする必要はありません。勿論、母乳がでているのであれば、そのまま母乳をあたえ続けてさしつかえありません。
さらに、離乳食として、赤身の魚、肉、レバーなどをあたえてください。これらの食品の”赤い色”は、血の赤。つまり、鉄をたっぷり含むヘモグロビンがそれだれ豊富に含まれているというあかしでもあるのです。
あくまで、フォローアップ・ミルクは離乳後期に母乳が出ない人の代用ミルクであり、普通にミルクを飲んで、離乳食もすすんでいる人にとっては必需品ではありません。

牛乳は1歳過ぎてから

牛乳は豊富な栄養を含む食品です。しかし、貧血やアレルギーなどの観点から考えれば1歳過ぎてあたえるようにしましょう。与えすぎも良くなく、1日に400ml以下程度にした方が良いでしょう。

それでは、この辺で終わりにします。皆様お元気で!

平成16年9月1日   きのした
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