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食物アレルギーの新しい考え方

従来、食物アレルギーは、「食物の経口摂取によって感作が起こり、感作されたものを続いて経口摂取した時にアレルギー症状が誘発される」と考えられてきました。感作とは、アレルギー抗体を持つ事で、繰り返し感作されるとだんだんそのアレルギー抗体が増えます。それがある一定量を超えると食べたときにアレルギー症状がでてきます。
最近、食物アレルギーは、経口接種による食物感作ではなく、アトピー性皮膚炎などの皮膚のバリア破壊から、食物が皮膚を通して、食物アレルギーとなってゆくのではないかとの新しい報告があります。

経口摂取が食物感作を起こすのか?

1)ミルク(人工栄養)で育ったお子さんは、母乳で育ったお子さんより牛乳アレルギーになりにくい。

2)イスラエルでは、離乳期からピーナッツを与えているため、小児におけるピーナッツアレルギーが少ない。などの事実からは、経口摂取による感作が起こりやすいともいえないようです。

母乳による感作はあるのか?

従来は、母親が経口摂取した食品が母乳に出てきて、それを乳児が摂取するととで、食物の感作がおこると考えられてきたため、アレルギー体質の子どもにアレルギーを起こしやすい食品の開始を遅らせるという考えが定着していました。しかし、その後の検討でこれらには科学的根拠はなく、「妊娠中、母乳中の母親の予防的食物除去がアトピー疾患を予防する」という考えも根拠がないと報告されました。卵、ピーナッツなど高アレルギー食品についても、開始時期を送らせばアレルギーが減る訳ではないということです。

経皮(皮膚)からの食物アレルギーの感作

経口による食物感作が絶対ではなく、母乳による感作の主要なものでなければ、残された感作経路は何かという問題となりますが、最近、皮膚からの感作ではないかという報告がなされました。
皆様もご存知のように、「茶のしずく石けん」で、小麦アレルギーが問題となりました。これこそ、小麦を食べていた人が、小麦入り石けんを使うようになって、皮膚から小麦が感作され小麦アレルギーを起こした事例がたくさん報告されました。まさに、食物アレルギーの経皮感作のひとつのモデルといってよいでしょう。またコチニールという天然色素が食品に使用され、その経口摂取がアレルギー症状を引き起こすことが指摘されていますが、その症状が圧倒的に女性におおいことから、コチニールを含む化粧品を使用して経皮感作されているのではないかと考えられています。

アトピー性皮膚炎と食物アレルギー

最近、アトピー性皮膚炎の原因として、フィラグリン遺伝子異常が原因で皮膚表面の角質層のバリア機能が障害され皮膚に炎症を起こすと考えられています。そして、皮膚の異常が原因でピーナッツアレルギーや湿疹を伴う気管支喘息やアレルギー性鼻炎になるとの報告も見られます。
今までは、食物アレルギーをアトピー性皮膚炎の原因ととらえる考え方が多かったのですが、最近の報告をみるとむしろ、食物アレルギーはアトピー性皮膚炎における皮膚のバリア機能の障害の結果として二次的に起こっている可能性が考えられます。
食物アレルギーの予防としては、経皮感作を減らすために、皮膚バリア機能の障害を早期に解決することが必要であり、食物アレルギーのみならず、喘息やアレルギー性鼻炎などの予防にもつながる可能性があります。

まとめ

1)食物アレルギーの発症の過程は十分に解明されていないが、食べるからなる、食べなければならない、という原則は成り立たない。

2)バリア機能の障害された皮膚を介する経皮感作が食物アレルギー発症の主要な経路である可能性が出てきた。

3)乳児期にアトピー性皮膚炎などの皮膚バリア機能障害を早期に改善することで、食物アレルギーの発症を抑制することが期待できる。

平成26年1月16日 院長
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